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国井喜太郎氏は昭和の初め産業奨励の一端として工芸の振興のために設立された商工省工芸指導所(後の通商産業省産業工芸試験所-製品科学研究所)の初代所長として就任し、昭和3年(1928)から18年(1943)まで在職されました。
氏は美的感覚や手の技術に優れた国民性を生かし、外貨獲得のためと併せて地方産業を興す方途として「産業工芸」の重要性に着目し、そのために調査・指導・研究はもとより全国的な組織造り・広報活動を推進して、今日の産業デザイン隆盛の基礎を作り、かつ現在のデザイン界に多くの人材を送り出す役目を果たしました。
これらの功績を記念し、氏の名を永く語り伝えるためプロダクトデザイン及び工芸に関して優れた業績を挙げた人々を顕彰するため昭和48年この賞が制定されました。
これまで受賞された方々(敬称略)と受賞理由は以下のとおりです。
回 | 受賞者 | 功績 |
第28回 平成13年(2001) |
中村 圭介 | 永年の家具デザイン活動、デザイン団体の育成と共に、近代日本の家具史の研究・著作を通じデザイン発展に尽くした功績 |
加藤 元男 | クラフトデザインの意義を深めるため、自ら作陶窯を築き幅広い地域活動を展開するなど、その発展に尽くした功績 | |
第27回 平成11年(1999) |
光野 有次 | 長年にわたり福祉機器や障害者施設に関し、先駆的なデザイン活動を展開し、当該分野の充実と発展に尽くした功績 |
増田 尚紀 | 山形鋳物産地にあってデザイン・生産・流通という一貫した商品開発に取り組み、我が国クラフト産業界の振興に貢献 | |
今井 滋 | 全国的な規模で近代デザインの推進と普遍性のある家具産業の育成振興に寄与した功績 | |
第26回 平成10年(1998) |
庄子 晃子 | 国立工芸指導所におけるブルーノ・タウト氏の業績について、数々の未公開資料を発見・公開発表し、近代デザイン史を充実させた功績 |
JIDAデザインミュージアム | デザイナー団体がID製品の収集,保存に自ら乗り出し、「JIDAデザインミュージアム1号館・信州新町」を実現、デザイナー、学生、地元町民との交流、共同学習に勤めた功績 | |
樋口 治 | 船舶の内装などの大規模インテリアデザインをてがけるとともに、長年にわたり教育界にあって後進の育成に努めた功績 | |
第25回 平成9年(1997) |
菅沢 光政 | 家具における新分野の開発と国内外のデザイナーを起用し、家具の水準の向上と振興に寄与した功績 |
舟橋 辰朗 | 広範なデザイン開発の実践、地域デザイン界に貢献した功績 | |
山田 礼子 | 日本の古典のかたちを現代ジュウリーデザインに表現し、国際的活動とともに装身具界に貢献した功績 | |
第24回 平成8年(1996) |
奥村 昭雄 | 建築家として活躍のなか、特に自らの工房で木工の原点を捉えた質の高い家具・デザインを製作した功績 |
平松 保城 | 格調高い立体造形をクラフト及びジュウリーデザインに表現、また多くの人材を育成するなど当該分野の向上に貢献 | |
三浦 勇 | 陶磁器界にあって、卓越した企画、技術、デザインと行動力により、国内各陶磁器産地並びに東南アジアに指導力を発揮された功績 | |
第23回 平成7年(1995) |
明石 一男 | 我が国近代デザインの発展に指導的役割を果たすともに、教育界において人材育成に尽力するなど、産業工芸・デザインの振興に貢献 |
小泉 和子 | インテリア並びに家具デザインに関する沿革史及び生活周辺の様様な器具の変遷について、生活史研究の端緒を創成した功績 | |
望月 好夫 | 漆工芸の卓越した技術、企画力、デザイン力をもって津軽塗産業の近代化など地域産業の振興に尽くした功績 | |
第22回 平成6年(1994) |
粟辻 博 | 企業とデザイナーとの関係を保ちながらテキスタイルデザインの領域を確立し日本のテキスタイルを世界的レベルに向上せしめた業績 |
森本 真佐男 | 日本のカーデザイン創成期より、一貫してカーデザインに従事、またデザイン教育、研究に尽くし我が国工業デザインの発展に貢献 | |
広瀬 慎 | 鋳鉄の伝統的技法を駆使し、生活用品から公共施設まで広い分野で成果をあげ、産地鋳物工芸の発展に貢献 | |
第21回 平成5年(1993) |
長 大作 | 成型合板を用いて独創的な木製家具の開発など家具インテリア産業界のデザイン振興に尽くした功績 |
鴨志田 厚子 | デザインをとおして地域の産業振興並びにその斬新なデザイン感覚で多くの優れた商品を開発した功績 | |
川崎 和男 | 地場企業に根を下ろしデザインをとおして地域おこしに貢献し地場産業の在り方に大きな啓発を与えた功績 | |
第20回 平成4年(1992) |
柳 宗理 | 日本のデザイン運動創成期から今日に至るデザイン活動の実践及び日本民芸展を通じて文化交流に尽くした功績 |
中川 千年 | 40数年にわたり優れたデザイン・技術を通して各地の地場産業の振興に尽くした功績 | |
川上 元美 | 近代家具生産に工芸の造形性と手法を巧みに導入するなど、我が国家具デザインの水準を世界的に高めた功績 | |
第19回 平成3年(1991) |
渡辺 力 | 我が国デザイン運動の先駆的役割を果たし、堅実にして優美なる新デザインを世界に顕示した |
大泉 博一郎 | 日本のデザイン創成期よりインテリアデザインを主体としてその振興を図るなど、産業工芸分野に大きく貢献 | |
宮崎 珠太郎 | 竹工芸の卓越した技術、企画力、デザイン力をもって九州地区産業工芸界の発展、振興に大きく寄与 | |
第18回 平成2年(1990) |
新井 真一 | 我が国のデザイン振興活動における永年にわたる貢献 |
佐々木 達三 | ID、インテリア、陶芸等産業工芸各分野の業界とデザイナーの協力関係を確立させた功績 | |
山本 孝造 | 「ビンの話」の著作に対して | |
第17回 平成元年(1989) |
出原 栄一 | 「日本デザイン運動」の著述 |
有岡 良益 | 卓越した技術による優れた木工製品の製作 | |
工藤 省冶 | 我が国のクラフト界全般に大きく貢献するとともに、地場産業として砥部焼をして確固たる成果をあげしめた | |
第16回 昭和63年(1988) |
新居 猛 |
折りたたみキャンバスチェアの開発。中小企業とデザインの活用を世界市場に示した典型的な事例
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福島県大沼郡三島町(町長:佐藤長雄、特別町民:宮崎清、生活工芸館) |
福島県三島町の「生活工芸運動」を通じた町ずくりと「生活工芸館」の創設 | |
伊差川 新 |
沖縄における産業デザインの推進 | |
第15回 昭和62年(1987) |
秋田木工株式会社 | 曲木家具を創め、一貫してその進歩向上に努力、我が国家具産業の発展に貢献 |
中村 富栄 | 漆工芸による地場産業への貢献 | |
羽生 道雄 | 異業種企業のグループ化により優れた生活用具を生産、地場産業の振興に貢献 | |
第14回 昭和61年(1986) |
那賀 清彦 | 永年にわたる工芸・デザインの振興と流通現場に直結するオリジナル製品の開発 |
伊藤 利一 | 家具、インテリア産業の振興、及び家具のデザイン指導に関する国際協力 | |
石井 賢康・賢俊(NIDO ID事務所) |
幼児を対象とした公共施設及び日用品分野での優れたデザイン活動 | |
第13回 昭和60年(1985) |
山川 譲 | ラタン製品の高度化、身障者の雇用促進、発展途上国の技術指導などに貢献 |
佐々木 洋次 | 産業意匠改善研究員制度の設置に貢献し、優秀な産業デザイナー輩出の道を拓いた | |
堺谷 哲郎 | 秋田杉を活用紙、曲げわ技術ほか飽くなき開発努力による優秀製品の創作 | |
畑 正夫 | 工芸産業界における永年にわたる貢献と「産業工芸とクラフト」の刊行 | |
第12回 昭和59年(1984) |
小池 岩太郎 | プロダクトデザインの分野で活動し、その発展と普及に貢献 |
時松 辰夫 | 木工芸を通じて地場産業のデザイン高揚に貢献 | |
長原 實 | 地場産業とデザイナーとの連携によるインテリアデザインの新生面の開発 | |
第11回 昭和58年(1983) |
安倍 郁二 | 我が国の漆器産業の育成、振興に尽くした功績 |
馬場 忠寛 | 伝統的鋳物産地を指導し、新しいデザインによる新製品の開発に寄与 | |
荻野 克彦 | 陶磁器、ガラス、金属などのテーブルウェアを中心とする優れた総合的デザインの開発 | |
第10回 昭和57年(1982) |
特別賞:勝見 勝 | 近代デザインの発展に寄与したデザイン評論、著作、国際活動 |
高木 晃 | 伝統的漆器産地を対象とした新しいデザインによる新製品の開発 | |
永原 浄 | 照明器具デザインをとおして日本の照明産業界の振興に貢献 | |
森島 紘 | 手すき和紙の技術を現代生活に応用したデザインの実績 | |
中村 次雄 | プラスチックの材料を通じてその技術とデザインの発展に貢献 | |
第9回 昭和56年(1981) |
小菅 一郎 | 国際家具見本市を成功させ家具産業の振興と国際化につくした功績 |
近藤 昭作 | 竹による照明器具デザインの近代工芸的発展 | |
喜多 俊之 | ウインク・チェアーを中心とする家具に関する一連の創作活動 | |
第8回 昭和55年(1980) |
小林工業株式会社 | 産業工芸試験所デザインによる洋食器の生産 |
渡辺 篤冶 | 鋏のデザイン開発による地場産業のデザイン意識の高揚 | |
第7回 昭和54年(1979) |
井上 房一郎 | デザイン活動をはじめとする地方文化への貢献 |
小松 誠 | 地場産業との協調による陶磁器デザイン新生面の開拓 | |
佐々木硝子株式会社クリスタル開発グループ | デザインと技術の開発によるガラス製品の高級化 | |
塩塚 豊枝 | 九州地区の産業工芸振興活動 | |
GK研究所・山口昌伴 | 「図説・台所道具の歴史」の著作 | |
第6回 昭和53年(1978) |
淡島 雅吉 | しずくガラスの創案を中心とするガラス器デザイン |
株式会社保谷硝子クリスタル事業部デザインスタッフ | 企業における卓越したデザイン運営とその成果 | |
松宮 寛明 | 色ガラスの特性を生かした特殊硝子の生産化 | |
山田 正吾 | 工業デザインを企業へ導入する発端を開いた功績 | |
第5回 昭和52年(1977) |
我妻 栄 | 関西地区を中心とするデザイン振興の業績 |
大日方 秀夫 | 未利用木材の材質改良による用途開発 | |
栄木 正敏 とセラミックジャパン | 加飾の健全性を目指す陶磁器製品の規格生産及販売の総合的推進 | |
第4回 昭和51年(1976) |
青木 秀憲 | 新しい金属工芸分野の推進 |
斎藤 鎮雄 | 流通面における近代プロダクトデザイン運動に寄与 | |
佐藤 潤四郎 | 永年のガラス工芸デザインにおける業績と著書「ガラスの旅」の刊行 | |
第3回 昭和50年(1975) |
豊口 克平 | 「型而工房」の運動以後、終始デザインの開拓及びデザイン界に貢献 |
栃折 久美子 | 個展「ルニュールとパピエ」に示された優れた製本技術とブックデザイン | |
第2回 昭和49年(1974) |
秋岡 芳夫 | 地方工芸デザインの開発とその推進 |
斎藤 豊人 | 毎日工業デザインコンペ、毎日産業デザイン賞の推進 | |
本沢 和雄 とLDヤマギワ研究所 | 照明器具開発によるデザイン活動 | |
第1回 昭和48年(1973) |
池田 三四郎 | 現代民芸家具の確立 |
生駒 弘 | 沖縄の漆器産業の改善発展 | |
乾 三郎 | 成型合板家具の製造技術の開発 | |
芳武 茂介 | 産業工芸特に鋳鉄製品における近代デザインの実践と産業化 | |
森 正洋 | 産業工芸特に陶磁器部門における近代デザインの実践と産業化 |